言語切替

多摩川の最初の一滴を探しに!昆虫好き親子が挑む笠取山・多摩川水干トレッキング

「ねぇ、多摩川ってどこまで続くの?」

ある日、息子がふと尋ねてきました。

「ん?海まで出るんだよ。」 「じゃあ、反対の終わりは?」 「山、かな…?」 「行ってみたい!」

子供の純粋な好奇心に、私の冒険心もくすぐられました。「よし、調べてみよう!」

これが、我が家の「多摩川の最初の一滴」を探す冒険の始まりでした。

当記事は、多摩川の源流として知られる「多摩川水干(みずひ)」を目指した、息子(小学校4年生)と私の登山体験記です。

正直、アクセスや準備で大変なこともありました。でも、それ以上に感動と達成感があり、息子の瞳がキラキラと輝くのを見て「挑戦して本当に良かった!」と思える最高の体験になりました。

この記事が、同じように「子供のやってみたい!を叶えたい」と思っているお父さん・お母さんの背中を押し、安全で楽しい山登りの手助けになれば嬉しいです。

多摩川水干ってどんな場所?

多摩川の最初の一滴が染み出す場所、それが「多摩川水干」です。

私たちが普段見ている雄大な多摩川も、その始まりは山梨県甲州市にある笠取山(かさとりやま)の山頂付近から染み出す、小さな小さな一滴から始まります。

この辺りの山や森林は、東京都水道局が管理する**「水道水源林」**と呼ばれ、私たちの暮らしに欠かせない水を育む大切な場所。自然学習の場としても整備されており、多摩川水干がある笠取山周辺は「水干(みずひ)ゾーン~源流のみち~」として、豊かな自然に触れられるトレッキングコースになっています。

【参考】多摩川水源林3つのエリアと水源地ふれあいのみち

  • 小河内(おごうち)ゾーン~見はらしの丘~: 東京都西多摩郡奥多摩町 奥多摩湖周辺
  • 水干(みずひ)ゾーン~源流のみち~: 山梨県甲州市 笠取山周辺
  • 柳沢峠(やなぎさわとうげ)ゾーン~ブナのみち~: 山梨県甲州市 柳沢峠周辺

【最重要】失敗しない!笠取山登山口・駐車場へのアクセス計画 – 多摩川水干の行き方

楽しい登山のコツは「段取り8割」。特に、登山口までのアクセスは絶対に失敗したくないポイントです。

しかし、私たちはこのアクセスで大変な目に遭いました…。皆さんが同じ失敗をしないよう、包み隠さずお伝えします!

笠取山登山口・駐車場へのアクセス 我が家の大変だったこと5選

  1. 【悲報】カーナビで「作場平駐車場」が出ない! 登山口の駐車場をカーナビで検索しても、全くヒットしませんでした。
  2. 【罠】住所検索も危険! 駐車場の住所「〒404-0021 山梨県甲州市塩山一ノ瀬高橋」で検索すると、なんと7kmも手前の全く違う場所を案内されてしまいました。
  3. 【注意】Google マップは通行止めルートを案内する!? スマホのGoogle マップでルート検索すると、2024年11月から通行止めになっている「おいらん淵ルート」を案内されることがあります。正しいルートは「落合橋」を経由するルートです。
  4. 【覚悟】想像以上の林道ドライブ 駐車場へ続く道は、車2台がすれ違うのがやっとの狭い林道です。林道に慣れていない、町中の路上ばかり使っている軟弱な運転手(私)は対向車や落石にヒヤヒヤするかもしれません。車の通りも少ないので「この道で合ってる…?」と何度も不安になりました。
  5. 【必須】オフラインマップの準備を! 林道に入ってしばらくすると、携帯の電波が完全に入らなくなります。GPSも不安定になるため、事前に地図アプリでルートをダウンロードしておくことが必須です!
東京都奥多摩ビジターセンターホームページより
https://www.ces-net.jp/okutamavc/info/52

これが正解!勝沼ICから駐車場までのルート

以上の失敗を踏まえ、確実なルートはこちらです。

中央道 勝沼IC → 国道411号(青梅街道)を奥多摩方面へ → 落合橋を目印に左折 → 一ノ瀬高原・作場平駐車場

Google マップで目的地を設定する際は「作場平駐車場」ではなく、途中にある「一ノ瀬高原キャンプ場」などを目指すと、正しいルートを案内してくれやすいですよ。

と、言うことで、勝沼ICから落合橋を通って作場平駐車場・笠取山駐車場へのルートをGoogleMAPで作りました。

子供との登山 多摩川水干・笠取山の服装と持ち物リスト

登山の準備は、安全と楽しさに直結します。特に子連れ登山では「ちょっと大げさかな?」くらいが丁度いいです。

服装のポイント

標高が高い笠取山は、市街地との気温差が大きく、天候も変わりやすいのが特徴です。
夏場の体感で、市街地の気温よりも10~15度低く感じます。

  • 脱ぎ着できる長袖・長ズボン: 真夏でも日陰は涼しく、体感で25度ほど。汗をかいたり寒くなったりに対応できるよう、重ね着が基本です。虫刺されやケガ防止のためにも肌の露出は避けましょう。
  • 登山靴・履きなれた運動靴: 登山道は苔むした土で、湿っていて非常に滑りやすいです。濡れた場所でも滑りにくい、グリップの効く靴を選びましょう。
  • 帽子: 高地の日差しは想像以上に強いです。熱中症対策に必須です。
  • 熊鈴: 熊よけの鈴は必ず身につけていきましょう。チリンチリンという音色が、登山の良いリズムにもなりますよ。
    ※笠取山を含む奥多摩・奥秩父は熊の生息地として有名です。笠取山でもツキノワグマの生息が確認されています。登山愛好家からは「(見通しの悪い)茂みでガサゴソ音がして、よく見たら10mの距離に熊がいた」「音がして振り返ったら5mの距離に熊がいた」といった目撃談がいくつも聞かれます。
    子供との登山では安全管理が第一。笠取山でも熊鈴を持たない登山客を多く見かけましたが、熊鈴は簡単にできる事故予防。しっかり音が出る熊鈴を準備することをお勧めします。

おすすめアイテムポイント
ベアベル(熊鈴)カラビナ付きでリュックに付けやすいものが便利です。

クリックするとヒマラヤ楽天市場店の熊鈴(ベアベル/カラビナ)の購入ページへ移動します。

ハイマウント HIGHMOUNT キーホルダー ロック ベアベル BRZ 23832

水筒と食べ物

  • 水筒(飲み物): 今回のコースは、大人の足で往復約5時間。我が家は小学生の息子と二人、休憩や遊び時間を多めに見て6時間の計画を立てました。夏の2時間の公園遊びで800mlの水筒が空になるのを基準に、予備も含めて合計6Lを準備。結果的に、この量でちょうど良かったです。スポーツドリンクと水を半々で持つと良いでしょう。
  • 食べ物: 6時間の長丁場なので、エネルギー補給は重要です。我が家は登山口の駐車場でしっかりお弁当を食べ、登山中はパンやお菓子、塩分補給のタブレットなど、手軽に食べられてゴミが少ないものを持っていきました。ゴミは必ず持ち帰りましょう!

いざ出発!苔むす森と昆虫との出会い

準備を万端に整え、いよいよ登山開始! 駐車場からの登山道は、案内看板がしっかり整備されていて、迷う心配はありませんでした。

歩き始めると、そこはまるで別世界。深く美しい苔の絨毯が広がり、ひんやりと澄んだ空気がとても気持ちいいです。

上り坂が続く山道でも昆虫との出会いがあります。

写真はムネアカオオアリ。よく見かけるクロオオアリと並び、日本で最大サイズのアリです。
クロオオアリは住宅街や公園でもよく見かけますが、ムネアカオオアリは住宅街で見かけることは少なく、山に住みます。
山でしか出会えない昆虫を観察できるのも登山の楽しさです。

笠取山登山で昆虫観察 ムネアカオオアリ

そして、山頂付近に近づくと、日当たりの良い開けた道が出てきます。
そこで息子が早速見つけました!

「あ!ハンミョウだ!」

足元を先導するように飛んでは止まり、飛んでは止まりする美しい昆虫、ハンミョウ。こちらも住宅街では見られず、山に生息する昆虫です。別名「ミチオシエ(道教え)・道しるべ」とも呼ばれるこの虫との出会いに、息子は大興奮!まるで「こっちだよ」と源流へ案内してくれているようでした。
今回見つけたのはハイイロハンミョウ(ツチハンミョウの一種)です。

山頂からの絶景と、感動の「最初の一滴」

急な坂道を乗り越え、視界が開けると、そこには大パノラマが!頑張って登ってきたご褒美の絶景に、思わず親子で「うわー!」と声を上げてしまいました。

山頂付近の山道では、アサギマダラが花に留まっています。明るい緑がかった青色の美しい羽を持つチョウです。蜜を吸っているのかな?チョウの食事を邪魔しないよう、少し離れて見守ります。

笠取山登山で昆虫観察 アサギマダラ

そしてついに、最終目的地「多摩川水干」に到着。

岩清水が染み出す場所に「多摩川 最初の一滴」と書かれた木の標識がちょこんと置かれています。ここからあの大きな多摩川が始まっているのかと思うと、なんとも言えない感動が込み上げてきました。息子も、その一滴をそっと指で触れ、何かを深く感じているようでした。

多摩川水干
多摩川の源流

まとめ:子供の「知りたい」が最高の思い出に

「大変だったけど、また行きたい!」

帰りの車で満足そうに眠る息子の寝顔を見ながら、心からそう思いました。

子供の素朴な疑問から始まった今回の冒険。アクセスは大変でしたが、しっかり準備をすれば、初心者や子供でも十分に楽しめます。

それ以上に、図鑑でしか見たことのなかった昆虫に目を輝かせ、自分の足で水源までたどり着いた達成感を味わい、雄大な自然に感動する息子の姿は、親として何よりの宝物です。

子供の「知りたい」「やってみたい」は、成長の大きなチャンス。 皆さんもぜひ、お子さんと一緒に、自然の中へ冒険に出てみませんか?きっと忘れられない、最高の思い出が待っていますよ。

タイトルとURLをコピーしました